New Normalにおけるテレワーク査察 2020.07.04 COVID-19におけるパンデミックは終息が見えない。私たちは当分の間withコロナとして過ごしていかなければならない。世界では実質多くの経済活動が制限され、これまでのように容易に相手先へ赴いて対面による会議等を行うこともままならない。しかしながら、患者の安全性の確保を考えた場合、医薬品等の査察を
校正と点検の違い 2020.06.27 筆者が製薬企業や医療機器企業の製造所を監査した際に「校正」と「点検」を混同している事例が非常に多く見かけられる。多くの企業のSOPに「校正をもって点検に代える」と記載されていることがある。これは間違いである。校正とはJIS Z 8103:2000 のJIS計測用語によると校正とは『計器又は
ALCOAとALCOA+ 2020.06.09 FDAは1999年に紙媒体の記録に期待されるものと同じ基本的な電子データの品質要件としてALCOAを提唱した。【ALCOA】電子データが紙の記録と同じ以下の属性を持つ状態のこと。A - データ生成者に帰することができること(Attributable)L - 読みやすく恒久的であること (L
改正薬機法の施行日について 2020.06.09 2019年3月19日「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出された。第198回通常国会での成立はならず、同年10月4日に開会した臨時国会において審議が継続して行われ、11月27日の参院本会議で可決され、成立、12月4日に公
ロジカルシンキングについて 2020.06.02 ロジカルシンキングとは日本語では論理的思考という。例えば、人を説得する際には「論理」が通っていなければならない。「論文」は論理文書のことで、やはり人に分からせる、納得させる文書のことである。ロジック(論理)は、人に「Yesと言わせたい」、「自分の気持ちを分かってもらいたい」「何かして欲しい」などの
電子印鑑は認められるか 2020.05.12 コロナウィルス禍のもと、多くの企業がテレワークに移行している。しかしながら、本邦の場合、捺印(押印)をするためだけにリスクを冒して公共交通機関で出勤しなければならないといった問題点を耳にする。私事ながら、筆者は外資系企業しか勤務したことがなく、役所関係の文書を除いては、社内において捺印といった文化
コミュニケーションの重要性 2020.05.04 本年度に改正が予定されているGMP省令では、第四条(予定)の「上級経営陣の責任」において「製造所ごとに、製品品質及び医薬品品質システムの問題等に係る情報を、すべての職員から適時に上げるための情報伝達の仕組みを、構築、維持すること。」という要求が盛り込まれる予定だ。「情報伝達(コミュニケーション)」
ISO 9001を取得しても品質が向上しない訳 2020.04.27 ISO 9001は、品質管理システム(QMS)に関する国際規格である。多くの企業では、顧客の関心を得るためにこぞってISO 9001を取得してきた。しかしである。ISO 9001を取得している企業であっても、品質が向上していないことが多い。その理由は、いつしかISO 9001の認証を取得することが
改正GMP省令について 2020.04.01 厚生労働省やPMDAの講演を聴いていると「承認事項遵守」といった発表が頻繁にある。一度不正を行った企業は、これまで長期にわたってその企業名を講演会などで引用され、いわば人身御供のように取り扱われている。承認事項を遵守することは当然のことである。不正はけっしてあってはならない。しかし
Self Inspectionの重要性 2020.03.30 PIC/S GMPの第9章はSelf Inspectionである。本邦の規制要件等(GMP省令、GVP省令等)ではSelf Inspectionを「自己点検」と訳している。しかし、筆者はこの訳は適切ではないと感じている。当局による査察であるAuthority Inspectionに対して Self