【最近のウォーニングレター】ASTROM通信 246号

猛暑はおさまったものの、不安定な天気が続いていますが、いかがお過ごしですか。

さて今回も、アメリカ食品医薬品局(FDA)がアメリカ国内の製薬会社向けに出したウォーニングレター2件を見ていきたいと思います。FDAがどのような点を問題視して指摘しているかをご確認いただければ幸いです。

最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。

■CMS#622087■

2021年10月4日~10月13日のミズーリ州の製造所の査察でみつかった医薬品製造の重大なCGMP違反について発した2022年3月31日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1

貴社は、成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が同一性、濃度、品質、純度の適切な規格に準拠していることを保証するために設計された科学的に妥当で適切な規格、標準、サンプリング計、試験手順を含む試験管理を制定することを怠った。(21 CFR 211.160(b))

<指摘1詳細>

貴社は、塩化ベンザルコニウムベースの手指の消毒剤を含むOTC医薬品を製造している。水は、貴社のOTC手指消毒製品の成分である。貴社の水システムのサンプリング計画は、システム全体を表現するものではなく、システムのばらつきを検出するために意味のある結果を提供するのに適切ではない。

具体的には、製造作業のXXにおける化学及び微生物的属性に関し、ユースポイントのXXのポートからしかサンプルを取っていない。しかし、我々査察官は、貴社が医薬品の製造のために少なくともユースポイントのXXのポートから水を得ていることに気付いた。

さらに、貴社は何度も最終製品からバークホルデリア・セパシア(B.セパシア)を検出した。B.セパシアは、水媒介生物であるため、この繰り返しの製品汚染は、貴社の水システムの不十分なモニタリングと管理の影響を示している。貴社には、貴社の水システムにおけるB.セパシアの有害なパターンを特定するための適切な限界値を持っていないし、バリデートされた方法でB.セパシアの存在について貴社の水システムを定期的に試験してもいなかった。

貴社は回答の中で、水システムの図面を更新し、少なくともユースポイントのXXのポートを確認するようにしたと述べた。また貴社は、貴社がサンプルを取る追加の水のポートの適切な数を判断するためにXXを実施するつもりであるとも述べた。さらに、貴社は水試験にB.セパシアが存在しないことを確認するための規格を追加するつもりであると述べた。貴社の回答は不十分である。貴社は、貴社の水システムの設計が、意図された用途に適していて、適切に維持され、サンプリングされ、管理状態から外れている可能性がある場合に迅速な検出を可能にするためのより徹底的な検査の対象とすることを保証する方法を含むXXに関する詳細を提供しなかった。

水は貴社の非無菌医薬品の成分として使用されているので、水システムの管理状態に関するデータの欠如は、貴社の製品に好ましくない微生物汚染を取り込む潜在的なリスクをもたらす。医薬品用水は、意図された用途に適していて、適切な化学及び微生物学的属性の継続的な適合を保証するために定期的にテストされなければならない。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:
・貴社が製造に使用するための成分の各入荷ロットの試験及びリリースに使用している化学及び微生物 学的な品質管理の規格
・貴社で製造する医薬品の各ロットで使用されるための合格基準を保証するための水の日常の微生物試験を詳細に記述した水システムのモニタリングの手順
・現在の水システムで使用される微生物総数及び好ましくない微生物の現在のアクション/アラート限界 貴社のシステムの微生物総数に限界が、貴社で製造される各製品の使用目的の観点で厳格であることを保証せよ。
・システムがアメリカ薬局方モノグラフの精製水の規格、適切な微生物限界を満たす水を一貫して精製 することを保証する継続的な管理、保全、モニタリングのためのプログラムの適用手順
・全ての微生物学上の危険の詳細で徹底的なレビュを伴う貴社の製造作業の設計と管理の包括的で独立 したアセスメント
・好ましくない微生物汚染の可能性がある医薬品を販売することによりもたらされる危険に対応した詳細なリスクアセスメント
 リスクアセスメントに応じて貴社がとろうとしている顧客への通知や製品回収などのアクションを明記せよ。
・好ましくない微生物汚染の可能性がある、または、微生物試験の結果が規格外(後で無効化されたかどうかに関わらず)の全てのロットの完全な調査
 調査では、汚染の根本原因に関する貴社の調査結果を詳細に記述すべきである。
・貴社の各医薬品の適切な微生物のロットのリリース規格(すなわち、微生物総数、好ましくない微生物 を検知するためのバイオバーデンの特定)
・貴社の各医薬品を分析するために使用されている全ての化学及び微生物の試験方法
・使用期限内の全ての医薬品のロットの保管サンプルの試験から得られた結果のサマリ
 貴社は、これに限定されないが、各ロットの有効成分の同一性、濃度、微生物学的品質(微生物総数、好ましくない微生物を検知するためのバイオバーデンの特定)を含む、全ての適切な品質特性を試験すべきでる。試験でOOSの結果が得られた場合、顧客への通知や回収の開始など、貴社がとろうとしている是正処置を示せ。

●指摘2

貴社は、装置の洗浄及び保全に関する適切に文書化された手順を制定し順守することを怠った。 (21 CFR 211.67(b))

<指摘2詳細>

我々査察官は、貴社の装置の保全及び洗浄プログラムでいくつかの不備を記録した。例えば、水の精製システム内のポンプからの漏れをみつけた。2021年5月7日付の作業指示書は漏れを記録していたが、品質部門は査察日において貴社の手順で要求された通り漏れを通知していなかった。従って、逸脱の調査は開始されていなかった。XXの2回目の漏れでは、漏れを阻止する吸水性パッドで発見された。その漏れは記録されていなかった。貴社の水システムの操作手順では、漏れのチェックはXXに実施されなければいけないことになっている。貴社には、これらの水漏れの発生を裏付ける文書が不足していた。

水漏れは増殖した微生物の侵入の可能性のあるエリアで、成分である水を汚染し、その後、貴社で製造された医薬品の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。

査察官はタンク#422の上にある原材料移送マニホールドのバルブから原材料が漏れているのも発見した。

漏れの下にあるバケットは、緑青のゼラチン状の物質と思われるもので、半分くらいいっぱいになっていて、バケツの外側は、シロと茶色の汚れで覆われているようだった。この物質は界面活性剤XXと特定された。原材料の保管に関する貴社の手順は、装置の適切な洗浄と保全を十分に保証していない。

我々は、試験室の薄板上の気流フードに錆があることも発見した。貴社の試験室のメンテナンス状態、その信頼性を保証するために重要である。

貴社は回答の中で、新しい職員は、貴社の手順で指定された通りにアサインされたりXXの確認で教育されたりしていないと述べた。更に、貴社は、貴社の手順は品質モニタリングプログラムの責任に関する十分に詳細な記述が欠けていると述べた。また、貴社は、漏れたXXとポンプは故障し、交換のための変更管理オーダーが提出されたと述べた。さらに、貴社の水システムの”投資計画“に備えて貴社の水システムの図面は更新されQUとエンジニアリング部門によりレビュされた。界面活性剤XXの漏れに関して、貴社はバルブの交換のための作業指示が提出され、配管を交換するつもりであると述べた。

貴社の回答は不十分である。貴社の回答は、貴社が完全に水システムを改善し、さまざまな漏れが製品品質に影響を与えなかったことを保証するのに十分な詳細の説明が不足していた。貴社は貴社の設備や装置の保全に関する同様の問題が再発しないことをいかに保証するかを論じることも怠った。

貴社の洗浄と保全の手順が適切で、貴社の医薬品の汚染を防ぐために遵守されていることを示すことは重要である。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・水システムの設計、管理、保全の包括的で独立したレビュと広範囲の改善計画
・精製水システムのバリデーションレポート
 システム設計と、継続的な管理や保全のためのプログラムになされた全ての改善のサマリも含めよ。
・指摘された水システムの不具合が、現在アメリカ市場にある製品の全てのロットの品質に与えた可能性のある影響に対する詳細なリスクアセスメント
・医薬品を作るために貴社が使用した水システムの配管計装図を含む、構成の詳細な記述
 XXと、それが直列か並列かの状態を記述せよ。さらに、改善されたシステムに関する最新の配管計装 図の情報と、配管計装図が実際の水システムの設計と一致することを確認するアセスメントを含めよ。
・施設と装置の日常の慎重な運用管理・監督を実装するための是正処置・予防処置(CAPA)の計画
 この計画は、とりわけ、装置/施設の性能の問題の迅速な検知、修理の効果的な実施、適切な予防保 スケジュールの遵守、装置/施設のインフラストラクシャへのタイムリーな技術的アップグレード、
 継続的なマネジメントレビュのためのシステム改善を保証するべきである。

●指摘3

貴社は、ロットが既に出荷されているかどうかに関わらず、ロットやその成分の、規格との説明のつかない不一致や不具合を徹底的に調査することを怠った。 (21 CFR 211.192)

<指摘3詳細>

貴社は、OOSの結果や苦情を適切に調査することを怠った。例えば:
・B.セパシアが貴社の局所接近剤のロットXXで見つかった。貴社はこのロットを処分したが、微生物 汚染の根本的原因を適切に調査しなかった。査察中、貴社は移送ホースでB.セパシア、生産ラインの ボトルホッパーXXの中でコレラ菌を発見した。貴社は最終的に、循環中に複数回アラームを発した水システムの浄化サイクル内の不具合が根本原因であると判断した。

 しかし、貴社は、水システムがB.セパシアで汚染されているかどうか、また、水システムの浄化サイクルが複数回アラームを発した理由を特定しなかった。また、貴社は、移送ホースとボトルホッパー内の汚染源を特定しなかった。貴社のCAPAは、水システムの浄化サイクル中のアラームをクリアするためだけに従業員の再訓練することになっていた。
・貴社は手指消毒泡XXロット0480285のロットコードが欠落していることに関する苦情の調査を開始した。根本原因はボトルの過剰充填で、それによりロットコードが拭き取られたと判断された。

 コードを消す結果となった過剰充填に関し、製造ログは他に9つの停止イベントがあることを示して いたにも関わらず、ボトルの過剰充填の根本原因は適切に調査されなかった。QUは、これらの9つの 停止イベントに気付いていなかった。
・貴社は製品XXロット0520546の判読できないロットコードに関する苦情の調査中、適切なCAPAを実施 しなかった。貴社は、ロットコードが不鮮明になった“最も可能性の高い原因”は、過剰充填によると結論づけた。しかし我々査察官は、適切に調査されていない、消えたり判読できないロットコードに関する複数の苦情を指摘した。

 貴社は回答の中で、管理者だけが“アラームの確認”へのアクセスができるよう、製造中のユーザ アクセスを変更したと述べた。さらに、貴社は、苦情の手順を見直し、傾向分析を加え、使用期限内にある全ての製品を対象とする“重大な”苦情の回顧的レビュを実施するつもりであると述べた。

 また、貴社は、現在のリスクアセスメントの手順のギャップ分析をし、リスクの文書化を確実にする つもりであるとも述べた。また、それらが完了したら、全ての手順は改訂され、貴社のチームはこれらの変更を教育される予定であると述べた。貴社の回答は不十分である。貴社は、QUの役割と責任のレビュや、貴社の調査結果の顧客への通知について検討しなかった。更に、貴社は、製品品質への影響を判断するために、“重大”な苦情だけでなく全ての苦情をレビュすべきである。

 不十分な調査は、不適合の根本原因の特定や根本原因の軽減をしない可能性があり、安全で有効な 製品の一貫した製造を保証しない。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・逸脱、不一致、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関する貴社のシステム全体の包括的で独立した アセスメント

 このシステムを修正するための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクションプランはこれ に限定されないが、調査能力、範囲の決定、根本原因の評価、CAPAの効果、品質の監督、文書化された手順の著しい改善を含めるべきである。調査の全てのフェーズが適切に実施されていることを、貴社がいかに保証するつもりか述べよ。
・貴社の変更管理システムの包括的で独立したアセスメント
 このアセスメントは、これに限定されないが、変更が貴社のQUによって正当である根拠が示され、 レビュされ、承認されていることを保証するための貴社の手順を含めるべきである。貴社の変更管理 プログラムは変更の効果を判断するための規定も含めるべきである。
・貴社のQUが効果的に機能するための権限とリソースが与えられていることを保証するための包括的な アセスメントと改善の計画
 アセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含めるべきである:
 〇貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断
 〇適切な手順の遵守を評価するための貴社の作業全体のQUの監督の規定
 〇QUの出荷判定前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ
 〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための調査の監督と承認及びその他のQUの職務の遂行

●指摘4

貴社は、権限のある職員のみが製造指図記録書原本及びその他の記録の変更を行うことを保証するためにコンピュータ及び関連システムの適切な管理を怠った。 (21 CFR 211.68(b))

<指摘4詳細>

貴社は、貴社の電子データの完全性を裏付け、適切な個人のみが管理者権限を持つことを保証するための適切な管理を怠った。 例えば、製品のリリース試験に使用される貴社の微生物試験装置XXは、試験のローデータの削除を防止するための適切な管理が整っていないスタンドアロンのコンピュータによって管理されていた。全てのQUユーザは、ファイルの変更や削除ができる管理者権限を持つ共有の汎用アカウントを利用してコンピュータにアクセスしていた。査察中、貴社の職員の一人がコンピュータのゴミ箱を開き、約XXのファイルとフォルダが削除されていることに気付いた。さらに、これらの削除されたアイテムには、貴社の職員がXXのデータファイルの可能性が高いと述べた、少なくともXXのXX形式のファイルを含んでいた。それらの削除されたフィルのXXの名前は、2017年以降に製造された製品の処方に類似していた。

さらに、貴社の分析ソフトXXについて、QUの管理者は、ロットのリリースの前に製品試験に関するPLCの監査証跡のレビュをしなかった。QUはXXベースでのみ監査証跡をレビュした。これは2017年の査察から繰り返されている違反である。

貴社は回答の中で、共通ユーザのログインは中止され、管理者権限がQU外のIT職員にアサインされたと述べた。さらに、貴社は、貴社のソフトウエアはアップデート中で、ユーザアクセスを管理する新しい手順を作る予定であると述べた。また貴社は、貴社のソフトウエアXXは新しいバージョンにアップデート中で、各サンプルの監査証跡は印刷され、別の装置とQAレビュのためにデータパケットに追加されると回答した。

ソフトウエアXXと関連するスタンドアロンのコンピュータを保護するための十分な是正処置を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。貴社は、ユーザのアクセスレベル、アクセス権、データを収集、レビュ、他の機能を実施するためにXXシステムに関して権限を与えられたユーザについて説明していなかった。一人の微生物学者のみがシステムにアクセスすることを許可することにより、データ・インテグリティを維持するための計画は、貴社のデータの完全性を保護するためのアクセスレベルと権限のシステムを作っていないので、安定した戦略ではない。また貴社は、データへの不適切なアクセスや削除を防ぐためにデータがどこに保存される予定であるかも説明しなかった。更に、貴社の回答は、装置XXで収集された医薬品のリリースデータの回顧的アセスメントや、システムセキュリティの脆弱性がデータ・インテグリティにどのように影響した可能性があるかの広範囲な評価に欠けていた。

最後に、我々は、説明されたソフトウエアXXの改善を確認した。しかし、貴社が提案したデータレビュの手順は不十分である。試験記録(クロマトグラムの生の記録、処理されたクロマトグラム、監査証跡)の静的コピーの使用は、リリースのためのQAのレビュ手順の一部であるべき、全ての分析試験結果の動的なレコード形式を保持していないので不適切である。貴社は、紙及び電子記録を含むオリジナルの試験記録が全ての試験結果と関連する情報が報告されていることを保証するために、QAがレビュする対象となっていることを保証しなければならない。

貴社の品質システムは、貴社が製造した医薬品の安全性、効能、品質を裏付けるためにデータの正確性と完全性を適切に保証していない。CGMPに則ったデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するガイダンスとして、FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMPを見よ。

この文書への回答の中で、以下の情報を提出せよ:
コンピュータシステムのセキュリティと完全性に関する包括的で独立したアセスメントとCAPAの計画設計と管理の脆弱性を特定したレポート、貴社の試験室の各コンピュータシステムの適切な修正を含めよ。これには、以下のことも含めるべきである:
・貴社の試験室内の、全ての装置(スタンドアロンとネットワークの両方)を含む全てのハードウエア のリスト
・ネットワークシステムと非ネットワークシステムの両方を含む、ハードウエア及びソフトウエアの 脆弱性の特定
・ソフトウエアの構成 (装置のソフトウエアとLIMS XXの両方)とバージョンの全てのリスト、全ての
 ユーザ権限の詳細、各試験システムの監督責任
 ユーザ権限については、試験室のコンピュータシステムにアクセスできる全ての職員に関する役割と 関連するユーザ権限(管理者権限を持つ全ての人に許可されている具体的な権限を含む)及び職員の
 組織の所属と役職を明記せよ。また、試験職員に、管理者権限や、データの保持や信頼性を損なう
その他の許可が与えられていないことをいかに保証にするかについて述べよ。
・これに限定されないが、ユニークなユーザ名/パスワードが使用され、それらの機密性が保護されて いるかどうかを含む、システムセキュリティ規定
・監査証跡データの安定した利用とレビュの詳細な手順、及び、貴社の各システムの監査証跡の実装 状況の現在のステイタス
・試験データの管理、レビュ、完全な保全のための暫定的な措置と手続き上の変更
・スタンドアロン装置(例:天秤、pHメータ、含水率試験)から電子システムを通して生成されたデータ のネットワークXXへの統合を拡大するための技術的改善
・これに限定されないが、不正アクセスを防止するためのシステムセキュリティの管理、適切なユーザ の役割の付与、全ての分析の2次レビュ、その他のシステム管理を含む貴社の手順の改訂と関連する
 教育の詳細なサマリ
・貴社のレコード内の情報の全ての追加、削除が承認され、全てのデータが保持されていることを保証 するために、電子及び紙ベースのデータの厳格な継続的管理を保証するために修正されたプログラム 貴社の全てのCAPAの計画と、これまでに行われた全ての改善を提出せよ。

●不良化粧品:不衛生な状態

貴社が製造する化粧品(ボディウォッシュ、ローション、バブルバス)は、21 U.S.C.361(c)の601(c)の意味で、不衛生な状態で調製され、包装され、保持されているため、汚染されているか健康に害を与える可能性があり不良品である。具体的には、貴社の施設の査察中、我々査察官は貴社の化粧品製造に使用されている水システムXXはグラム陰性細菌の潜在的な汚染源の可能性があると指摘した。製造エリア内で、淀んだ水と処理ラインの漏れが見つかった。貴社には、微生物汚染の根本原因を適切に判断したり、効果的なCAPA(例:潜在的に病原性の細菌がいないことの定期的な検査を含む)を実施したりしていないように見受けられる調査の履歴がある。さらに、化粧品の製造で使用される装置の不十分な洗浄/消毒も見受けられる。

●好ましくない微生物

非滅菌の水性の医薬品のB.セパシアの複合体や、その他の好ましくない汚染の深刻さに関する更なる情報は、2021年7月7日のFDAの通知を見よ。

●効果のない品質システム

これらの違反は、貴社の経営陣の、医薬品製造の適切な監督と管理の不履行を示している。貴社はシステム、工程、そして最終的には製品がFDAの要件に従っていることを保証するために、貴社の製造作業をすぐに包括的に評価すべきである。

回答の中で、貴社のトップマネジメントは、これに限定されないが、新たに発生した製造及び品質の問題に積極的に対処するためのタイムリーなリソースの提供と継続的な管理状態の保証を含んだ、QAと信頼できる作業を下支えするための方法について述べよ。

●CGMPコンサルタントの推奨

貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は、CGMPの要件を満たすように貴社を支援するために21 CFR211.34に記載されている適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の施設に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任がある。

全ての違反を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限のない差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつながるかもしれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行の差し控えにもつながるかもしれない。全ての違反に完全に対応がされ、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造業者としての新しい申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/vi-jon-llc-622087-03312022

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■CMS#623476■

2021年8月5日~9月16日のマサチューセッツ州の製造所の査察でみつかったPET医薬品製造の重大なCGMP違反について発した2022年4月11日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1

貴社の施設は、製品の品質に有害な影響を及ぼすと合理的に予想される物質、職員、環境条件による装置や製品の汚染の防止を保証するのに不十分である。全ての装置が清潔で、使用目的に合い、適切に設置され、維持され、妥当な結果を繰り返し生成できると保証する手順が適切に遵守されていない。
(21 CFR 212.30(a)&(b))

<指摘1詳細>

貴社は、無菌処理のために適切に設計され管理されていない施設の中で、非経口投与用のPET医薬品を製造している。さらに、貴社は、貴社の装置が無菌作業に適していることを保証していない。

●施設の適合性

貴社は、汚染防止のための適切な施設を整えることを怠った。2020年7月1日頃から2020年10月1日まで、貴社の施設で、貴社の技術用通路の中及び周辺で、連続して水の浸潤があった。水の浸潤は、ホットセル、生物学的安全キャビネット、層流フードを含むPETの無菌製造作業で使用される装置の後ろと上の、制御も分類もされていないエリアで発生した。査察中、頭上の給水管が貴社の原材料保管エリア内の床に盛んに漏れているのを発見した。さらに環境モニタリングプログラム(EM)は、注射用医薬品に使用されるホットセルのようなISO5 に分類される貴社施設の環境内で、いくつかの真菌種を明らかにした。貴社の調査で、ISO5に分類される環境内での真菌の回収を水の浸潤のせいにした。貴社の調査は、水の浸潤は、貴社の製造エリアの上の機械室と、クリーンルームの上のプレナムスペースにつながる屋根の貫通に関連した複数の不具合によるものであると述べた。特に、EMデータは、水の浸潤の問題は菌の検出日より前に発生し、貴社の無菌製造施設内の環境管理の喪失を表している。施設の適切な設計と維持の不具合は管理の欠如につながり、医薬品を汚染リスクにさらした。

●装置

2020年6月29日から2020年11月25日まで、貴社のEMは、貴社の施設のISO5エリアから繰り返し、いくつかの真菌生物を含む微生物を回収した。重要なエリアでの空気モニタリングでは通常、微生物汚染を生じるはずはない。貴社のEMプログラムは、隣接したISO7エリアでも多数の同じ細菌を回収した。
この間、貴社は注射用医薬品のXXロットと、注射用医薬品のXXサブロットを含む医薬品を製造した。

貴社は回答の中で、貴社の生物学的安全キャビネットとホットセルのあるISO5エリア内で使用される胞子消毒剤の最小接触時間を適用することを怠ったことを認めた。また、我々は貴社の作業者が、洗浄や消毒処理を行う間、生物学的安全キャビネットに上半身と頭を入れているのを見た。更に、2019年の査察からの繰り返しの問題になるが、全ての作業者が、制定された再適格性評価期間内に、培地充填の適格性評価を完了していることを保証することを怠った。最後に、貴社はアクションレベルを超えたISO5のEMのそれぞれの結果について、製品への影響を判断し、根本原因を特定し、効果的な是正処置・予防処置(CAPA)を実施するための調査手順に従うことを怠った。

貴社は回答の中で、エンジニアリング部門が水の浸潤に対し、迅速な緊急修理を実施し、2020年11月には、施設は管理状態を回復したと述べた。しかし、貴社は2022年2月に完了される“包括的”修繕プロジェクトのために、更なる修繕を停止した。貴社の回答は、貴社が施設の改善の間も、PET医薬品の製造を続けるつもりであることを示している。貴社は、汚染の防止を含むPET医薬品の製造の妥当性について、貴社の施設と技術用通路を積極的に評価するための計画について議論しなかった。貴社の施設が堅牢に設計され維持されていることを保証する十分な計画を含んでいなかったので、貴社の回答は不十分である。さらに貴社は、修繕をしつつ製造を続ける間、汚染を防ぐために貴社がとろうとしている追加の手順について説明しなかった。貴社の回答は、消毒頻度の増加の可能性、重要な環境や周辺環境の全ての表面の消毒剤のより包括的な適用の保証、より効果的な消毒を保証するためのその他の手段など、堅牢性を改善するためのISO5の汚染除去プログラムに十分に対処することも怠った。

貴社の回答は、品質関連のイベントを調査することの必要性も認めた。是正のために、貴社は、貴社の環境管理SOPと陽性結果の培地の解釈/調査SOPで要求されている、全ての品質関連のイベントの調査と報告を強化するために品質マネジメントシステムSOPを改訂した。貴社は制定された手順の遵守を怠った理由も、貴社の文書化された手順が今後一貫して遵守されることを以下の保証するつもりかも述べなかったので、貴社の回答は不十分である。

PET医薬品の有効期限は短い。その結果、PET医薬品は、ロットの特定の無菌試験とEMの結果がわかる前にリリースされ投与されている、貴社の継続的なEMプログラムは、タイムリーに貴社の製造環境内の製品汚染の危険の可能性を検知し対応するのに不可欠である。無菌製造施設内の環境管理の喪失は、最終的に患者に深刻な危険をもたらす可能性がある。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・貴社の無菌工程、装置、施設に関する、これに限定されないが下記の独立したアセスメントを含む、 全ての汚染の危険の包括的なリスクアセスメント
 〇ISO5エリア内の人の相互作用
 〇装置の配置と人間工学
 〇ISO5エリア及び周辺エリア内の空気の品質
 〇施設のレイアウト
 〇職員のフローと原材料のフロー(無菌作業を実施しサポートするために使用される全ての部屋の全
〇施設の管理システムと環境管理(例:温度、湿度、空気処理、異なる分類のエリアの相互作用)
・汚染の危険の独立したリスクアセスメントで見つかったことに対応するための、タイムラインを含む 詳細な改善計画無菌工程作業の設計、管理、保全に対して行う具体的な改善について述べよ。
・貴社の施設の修繕活動中のPET医薬品の製造に関し、適切な管理状態が維持されたかどうかの評価の
計画と結果
・2020年11月以降ISO5及びISO7エリアに関し、アラート及びアクションリミット外にある全ての環境モニタリングの結果のリスト
・施設及び装置の定期的で慎重な作業管理を実施するための貴社のCAPAの計画
 この計画は、とりわけ、装置/施設の性能問題の迅速な検知、装置及びシステムのタイムリーな改良、 適切な予防保全計画の遵守、交換の効果的な実施、継続的なマネジメントレビュのためのシステムの改善を確実にするべきである。
・汚染の危険を軽減するために貴社の施設の交換の状態を評価するための、適切な頻度での定期的な施設の実地検証を実施するための貴社の手順
・全ての分類されたエリアで使用される洗浄及び消毒の方法(例:薬剤、手順、頻度)が効果的であるかどうかの評価
・貴社の施設の適格性評価、培地充填、改良中及び改良後の、生物学的安全キャビネット及び層流フードの両方で実施された最新の静的・動的煙検証
・微生物汚染の可能性がある全てのロットの調査を完了せよ。
 調査は、汚染の根本原因に関して見つかったことの詳細を記述すべきである。
・各医薬品に関する、原材料、工程内原料、ロットのリリースに関する微生物の規格(例:無菌性、エンドトキシン、総菌数、工程内のバイオバーデンの微生物の適切な特定)
・貴社の職員が制定された手順を順守することを保証するための貴社の計画

●指摘2

貴社は、製像ロットまたはロットの成分の規格を満たさない不具合が発生した際、適切な調査の実施や適切な是正処置をとることを怠った。(21 CFR 212.20(d))

<指摘2詳細>

貴社は、エンドトキシンに関する複数の規格外(OOS)について、効果的なCAPAの実施を含む、適切な調査を実施することを怠った。

例えば、注射用医薬品XXロット13NNH3210511-Aの分析で、エンドトキシンに関しOOSの結果を示したが、ロットは適切な調査もなくリリースされた。最初のOOSのテスト結果は、システムの適合性の不具合のせいで無効化された。システムの適合性を満たした2回目の分析は、30.7EU/mL(貴社のXXU/mLの規格を超えている)のOOSの結果を得た。貴社は最終製品のバイアルから再度サンプルを抜き取り、別の試験を実施し、それは規格を満たした。貴社は分析を繰り返し、合格の結果も得た。
貴社は、合格の結果に基づき、ロットと後続のサブロットをリリースした。

貴社は、汚染源の可能性について適切な調査を実施せず、OOSの結果を無効化し、“XXの新ボトルを使用しているXXの懸念は確認された”と結論づけた。貴社の調査は、貴社が想定したOOSの原因を裏付けるために、XXの最初の試薬のボトルの試験を含めることを怠った。貴社の調査は、OOSの原因として、XXの取り扱いにおける試験室のエラーを明確に特定しなかった。貴社の調査は、是正処置も予防処置も特定しなかった。試験の原因を明確に確認できなかったにも関わらず、貴社は、製造の原因の可能性に調査を広げなかった。調査は、製造装置、原材料、処理状態または作業環境を含む上流工程からのエンドトキシン汚染の潜在的な原因を評価することを怠った。

貴社は、FDAの業界向けガイダンス文書Investigating Out-of-Specification(OOS) Test Results for Pharmaceutical Production

のコンセプトを含むために貴社の品質マネジメントシステムSOPを改訂し、貴社の報告フォーマットを標準化したと回答した。しかし、貴社は、エンドトキシンのOOSの結果の回顧的な評価を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。貴社のピロゲン試験SOPは、実施可能なリテスト回数の制限もなく、依然、合格結果XXが得られるまでエンドトキシンのOOSの結果の試験を許しているので、貴社の品質マネジメントシステムSOPの改訂を受けてピロゲン試験SOPを改訂したかどうかもはっきりしない。

ピロゲンとエンドトキシンの試験の更なる情報については、FDAの業界向けガイダンス文書Pyrogen and Endotoxins Testing : Questions and Answersを見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・PET医薬品に関し無効化された全てのOOS(工程内試験、リリース試験、安定性試験を含む)の結果の回顧的レビュと、以下の各OOSを含む分析でみつかったものをサマリした報告
 〇無効化されたOOSの結果に関する科学的正当性とエビデンスが決定的または非決定的でも、原因となる試験のエラーを示しているかどうかの判断
 〇決定的に試験の根本原因を確証した調査に関し、論理的根拠を提出し、同じまたは類似の根本原因に対して脆弱な他の全ての試験方法が改善のために特定されていることを保証せよ。
 〇回顧的レビュで、試験の根本原因が非決定的、または、根本原因がないと判明した全てのOOSの結果について、製造の徹底的なレビュ(例:バッチの製造記録、製造手順の妥当性、装置/設備の適合性、原材料のばらつき、工程の能力、逸脱の履歴、苦情の履歴、ロットの不具合の履歴)を含めよ。

  各調査に関し、潜在的な製造の根本原因と、製造作業の改善のサマリを提出せよ。
・貴社のOOSの結果の調査システムに関する包括的なレビュと改善計画
 CAPAには、これに限定されないが、以下の対処を含めよ。
 〇試験の調査の品質部門の監督
 〇有害な試験の管理傾向の特定
 〇試験のばらつきの原因の解決
 〇試験の原因が決定的に特定できない場合はいつでも潜在的な製造の原因の徹底的な調査の開始
 〇各調査とそのCAPAの適切な範囲の決定
 〇これら及びその他の改善を含む改訂されたOOSの調査の手順

●Positron Emission Tomography(PET)医薬品のガイダンス

PET医薬品を製造する際に、貴社がCGMP要件を満たすための助けとして、FDAのガイダンス文書PET Drugs-Current Good Manufacturing Practiceを見よ。この文書は、PET医薬品の製造に適用する可能性がある追加の概念や期待に関し、FDAのガイダンス文書Sterile Drug Products by Aseptic Processing – Current Good Manufacturing Practiceも参照している。

●CGMPコンサルタントの推奨

貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は、CGMPの要件を満たすように貴社を支援するために適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製品に関係のある施設に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任がある。全ての違反を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限のない差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつながるかもしれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行の差し控えにもつながるかもしれない。全ての違反に完全に対応がされ、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造業者としての新しい申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/brigham-and-womens-hospital-inc-623476-04112022

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回のウォーニングレターは2件とも、設備の衛生上の管理の不備が指摘されていました。インド・中国の製造設備の不衛生な状態に対する指摘はよくみかけましたが、アメリカでも同様であることに少し驚きました。

ただ、日本でも、老朽化した工場では同様の問題が起こりうると思います。また、水や環境のモニタリングが十分に行われていないケースもあるのではないでしょうか。決して他人事ではないように思いました。
また、1件目のウォーニングレターには、システムのアクセス権限の管理についての指摘がありました。FDAが、どんな点をデータ・インテグリティの不備と見ているのか、参考にしていただければと思います。

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株式会社プロス 『ASTROM通信』担当 橋本奈央子 hashimoto@e-pros.co.jp

※本記事は株式会社プロスの許可を得て転載しております。

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