『異常使用』と『使用エラー』

ISO 14971(リスクマネジメント)やIEC 62366(ユーザビリティ)において、「誤使用(misuse)」や「使用エラー(use error)」といった用語が使われている。
しかしながら、それらの差異が明確ではなく、混乱を来すことも多いと思われる。

さらにISO 14971において英語版においては“misuse”と“use error”とを使い分けているが、JIS版においては“use error”も誤使用として訳されており、紛らわしい。

またISO 14971とIEC 62366では、適用範囲が異なることにも注意が必要である。
図に示した通り、ISO 14971の適用範囲は水色の四角部分である。
一方で、IEC 62366の適用範囲はオレンジ色で示した四角部分である。

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図を見てわかるとおり「合理的に予見可能な誤使用(reasonably foreseeable misuse)」には、「使用エラー(use error)」と「異常使用(Abnomal Use)」が含まれる。
つまり「使用エラー」は「誤使用」に包含され「異常使用」を除いたものである。
IEC 62366においては「合理的に予見可能な誤使用」のうち「使用エラー」のみにフォーカスしている。「異常使用」については対象とはしていない。

「使用エラー」とは、製造業者が意図するまたは使用者が予期する医療機器の動きと異なる結果を招く行為または行為の省略のことである。
これには、ユーザーがタスクを完了できないことが含まれる。
ユーザの身体的、精神的能力等により、複雑な操作を完遂できないことも「使用エラー」の一つとなるのである。
「使用エラー」は、ユーザー、ユーザーインターフェイス、タスク、または使用環境の特性の不一致に起因する可能性があり、ユーザビリティエンジニアリングにおいては十分に検証が必要である。
しかも、ユーザーは「使用エラー」が発生したことを認識しない場合がある。
ここで間違ってはいけないことは、医療機器の誤動作は「使用エラー」ではないということである。

一方で、ISO 14971においては「合理的に予見可能な誤使用」について十分に検討し、文書化しておくことを要求している。
IEC 62366とは異なり、もし合理的に予見できるのであれば「異常使用」も考慮しなければならない。

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