生データにおける動的電子記録と静的電子記録について 2017.10.02 医薬品 生データとは生データの定義はFDAのGLP規則である21 CFR Part58.3(k)に記載がある。“生データ”とは、実験室内のワークシート記録書、覚え書き、注意書き、またはその正確なコピーをいい、これは非臨床試験の原観察結果およびその業務についての成績であり、この試
データ分析について 2017.08.28 医薬品 FDAをはじめ世界の規制当局は、製薬企業、医療機器企業に対して統計的手法(データ分析)を要求している。ではなぜデータ分析が必要なのかを考察してみたい。なぜデータを収集するのか?まずなぜデータを収集しなければならないのかというと、「直感」ではなく「証拠」ベースの品質保証活動を行うた
バリデーションの意図をとり違えていないか 2017.08.18 医薬品 筆者はしばしばFDA査察に立ち会うことがある。昨今のForm FDA 483ではコンピュータ化システムについて「意図した利用に対してバリデートされていない。」という指摘が増えてきている。なぜこのような指摘が出されるのかを解説してみたい。そもそもFDAによるバリデーションの定義は「confi
機能仕様書について 2017.07.24 医薬品 ITアプリケーション(ソフトウェアシステム)の開発・導入には機能仕様書の作成が必須である。一方において、構造設備においては機能仕様書を作成する機会はほとんどない。その理由は単純である。ITアプリケーションには、数多くの機能が存在する。一方で、構造設備は、1プロセス:1機能:1システムである。例えば
リスクベースドアプローチの必要性 2017.07.17 データインテグリティ リスクベースドアプローチとはリスクベースドアプローチとは、「cGMPs for the 21st Century Initiative」(21世紀に向けたcGMPのイニシャティブ)の中で明らかにした、FDAの新しい医薬品業界監視の方針のことである。1997年、FDAの行政改革を目的
CSVにおける成果物の種類と管理方法 2017.07.10 医薬品 CSV成果物の種類CSV(Computerized System Validation)を実施する際に作成される文書のことを成果物(Deliverable)と呼ぶ。2008年に発行されたGAMP 5によると成果物の種類は約60種類にものぼる。CSV成果物には大別して「計画書」「仕様
データインテグリティとは 2017.05.08 データインテグリティ 昨今、製薬企業や医療機器企業ではデータインテグリティに関する関心が高まっている。データインテグリティを本邦では「データの完全性」と訳しているケースが多い。しかしながら筆者はこの訳に違和感を感じている。データインテグリティを構成する要素には以下の4つがある。CompleteAccur
供給者管理の重要性について 2017.04.07 医薬品 製薬企業や医療機器企業は規制要件を遵守する必要がある。また供給者も同様に規制要件に適合する原料・材料・資材等を製造し、供給する責任がある。しかしながら、供給者に規制要件を教育し、また要求される品質を担保させることは容易ではない。2008 年には、ヘパリン ナトリウムの副作用により米国で 8
根本的原因の重要性とはCAPAの重要性 2017.02.08 医療機器 CAPA(Corrective Action and Preventive Action:是正処置・予防処置)は、医療機器業界では規制要件や国際規格であるISO-13485において実施が要求されている。一方において、製薬業界においてはCAPA要求は、GMPには記載がない。(図参照)したがって、CA
【EMA発出/曝露限度設定ガイドラインQ&A集ドラフト他】ASTROM通信 115号 2017.02.01 ASTROM通信 1)「ハーボニー配合錠」の偽造薬が発覚したことご存じの方も多いと思いますが、C型肝炎治療薬の「ハーボニー配合錠」の偽造薬が奈良県内の薬局チェーンで調剤され、患者に渡るという事件が発生しました。薬局チェーンは、製造販売元のギリアド・サイエンシズ指定の医薬品卸を通した正規ルートとは異なるルート